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修学旅行参加者の声

 近畿大学附属豊岡高等学校

修学旅行実施時期:令和5年3月
キーワード:
  • 探究的な学び
  • コウノトリ育むお米
  • 販売体験
  • 自然体験
  • 平和学習

近畿大学付属豊岡高等学校では、沖縄での探究的な学びを深めるため、異文化交流、自然環境など5つのグループに分かれてフィールドワークを行いました。

今回は、学年主任の奥田先生と、「コウノトリ育むお米」の探究学習を行ったグループの生徒のみなさんに、修学旅行実施後の感想や探究学習についてお話を伺いました。

「コウノトリ育むお米」は近畿大学付属豊岡高等学校の地元、兵庫県但馬地域で作られたお米で、沖縄県の消費量が多いそうです。

このグループのみなさんは修学旅行で、豊岡市と沖縄県内の小売業者(株式会社サンエー)のつながりや、お米の流通や食文化等を学び、店頭での販売体験を行いました。

【ご協力いただいた生徒のみなさん】 河口さん、島木さん、谷原さん、堀田さん、宮下さん

みなさん沖縄に来たのは初めてということでしたが、また沖縄に来たいと仰ってくださっています!

沖縄を修学旅行の場所に選んだ理由は何ですか

▶奥田先生

歴史、平和、環境、食文化、国際、観光など、現地でのフィールドワークが取り組みやすいロケーションが沖縄にはそろっています。一日ごとにテーマを決めて、全体での活動することもできます。また、グループごとの活動をする際も、各市町村に学びを探究できる要素が多いため、生徒が主体的に設定したテーマを深めやすい環境があることが理由に挙げられます。

3月に修学旅行を実施した理由はありますか

▶奥田先生

10月に計画していたのですが、コロナ禍の影響を受け3月に延期しました。

3月上旬の沖縄の気候は、薄手の上着が必要なものの、日中は気温も上がるため、アクティビティは問題なくできました。

沖縄に行った感想はどうでしたか

▶河口さん 

同じ時期でも気候や植生など、近畿地方との違う部分がとくに印象に残りました。

▶島木さん 

海がきれいで、自然が豊かな場所だなと思いました。

▶谷原さん 

とても暖かく、沖縄でしかできないことが沢山できて貴重な経験になりました。

▶堀田さん 

気温が高く、沖縄でしか見られないものも見れて、思い出に残りました。

▶宮下さん

海がとてもきれいでした。暖かくて過ごしやすかった。

事前学習はどのようなことを行いましたか

▶奥田先生

きっかけは探究学習のコンテストに応募したことでした。地元の食材を地元の方や観光客に届けフードロスを考える中で、地元の食材を地産地消できるようなアイデアを考えました。この経験を通して食の安全性やコウノトリ育むお米について再認識でき、修学旅行で訪れる沖縄で、学びをさらに深めようと企画しました。

『コウノトリ育むお米』を探究学習テーマに選んだ理由は何ですか

▶河口さん

コウノトリ育むお米についてより調べたいと思っていたことと、実際に流通に携わる人の話を聞いてみたいと思っていたことが理由です。

▶島木さん

豊岡のお米について知りたかったからです。

▶谷原さん

豊岡と沖縄にどのような関係があるのか気になったからです。

▶宮下さん

以前から調べていて沖縄への出荷量がなぜ多いか気になっていたから。

『コウノトリ育むお米』販売体験実施に向けてどのように準備しましたか

▶奥田先生

市役所の農林水産課とJAからいただいた情報を基に、『コウノトリ育むお米』に取り組む豊岡市の取り組みについて、発表スライドをまとめました。店頭販売を想定して、時間のない中でどのように伝えることが効果的なのかを考えて、事前学習を行いました。

販売体験に向けた準備で大変だったところはありますか

▶河口さん

大阪出身というのもあり、コウノトリ育むお米のように豊岡市に関係するものの知識を広げるのが大変でした。

▶島木さん

スライドを作るときに、コウノトリ育むお米を食べたことがなかったのでどう伝えていいか分からないところが大変でした。

▶宮下さん

豊岡市出身だけどコウノトリ米について知らないことがたくさんあり知らないことをたくさん調べた。

実際の店舗での販売体験はどうでしたか

▶河口さん

体験をした際、同じお客様に二回チラシを配りそうになることがありました。一つの”仕事”においても他に気を配るようなことがあったり、体験してみないと知ることができないものがありました。想像していたよりも”仕事”とは難しく、深いものなのだと知ることができました。

▶島木さん

やるまでは、楽しいのかなと思っていましたが、やってみると、売れたときの嬉しさなどがありとても楽しかったです。

▶谷原さん

体験をする前は、自分に販売体験ができるのだろうか、と不安でした。でも体験してみると、いろんな人とコミュニケーションを取れました。

▶宮下さん

最初はとても緊張しましたが、お米が売れたときはとても嬉しかったです。サンエーの人たちがみんな優しくて貴重な体験ができました。

今回の体験を進学や将来の夢にどう生かしていきたいですか

▶河口さん

将来は就いた職業でたくさんのデータや体験をもとに分析し、より良いものへ進化させることができるような人間になれるように努力しようと思いました。

▶島木さん

積極性がとてもついたと思うので、その積極性を活かしてコミュニケーションなどを取っていきたいです。

▶宮下さん

初対面の人にも積極的に話しかけに行くことが大切だということがわかったのでこれからの生活で自分から人に話しかけに行こうと思った。

実際に販売体験等を行う生徒さんを見てどう感じましたか

▶奥田先生

自分たちの地域のものが遠く離れた沖縄の地で販売されていることに、驚きと嬉しさを感じているようでした。農業を体験した生徒ではないのですが、事前に調査したことを基に、地元の特産品の良さを思いをもって伝えようする姿に、成長を感じました。このような機会をご準備いただいた株式会社サンエーの皆様に感謝いたします。

その他の旅程の生徒さんはどのような様子でしたか

平和学習や自然文化体験学習を行い、沖縄で味わうことのできる貴重な体験ができました。他のグループの活動では、自分の住む地域に関連付けたテーマで学んだ班も多く、探究的な学びを自分事として取り組めていました。特徴的な2つの班を紹介します。

①エコツーリズムデザイン研究所「日本海と沖縄の海岸の違いとは?」

 琉球大学大学院生のサポートの下で、引潮でできた潮溜まりに棲む生物やサンゴのなどの観察をしました。その後のワークショップでは、地元の海と沖縄の海を比較してプレゼンテーションを行いました。

②やんばるエコツーリズム研究所「コウノトリとヤンバルクイナでつながる沖縄と豊岡」

 国頭村のヤンバルクイナ生態展示学習施設を訪問し、安田林道をトレッキングしました。この学習施設は、地元にあるコウノトリの郷公園を参考につくられたもので、生徒たちは豊岡の取り組みがロールモデルとして人々の尊敬の対象となっていることを知って誇りを感じ、自然との共生が多くの可能性を秘めたプロジェクトであることを再確認したようです。

ビーチでの観察
ヤンバルクイナ生態展示学習・クイナの森

修学旅行を振り返っていかがでしたか

▶奥田先生

3年ぶりの実施となった今回の修学旅行では、各テーマを自分で選択し、生徒が主体的に活動できるような機会を多く設定しました。平和学習においては、ひめゆり平和祈念資料館を訪問した生徒とガマの追体験をした生徒が、お互いの見聞きしたものを自分の言葉で伝え合う姿が印象的でした。また、グループ別研修においては、既存のプログラムだけでなく本校独自のプログラムを企画する中で、沖縄の研修施設の方や地元の方など多くの方にご支援をいただきました。

生徒のみなさんに今後、沖縄修学旅行の経験をどう生かしてもらいたいですか

▶奥田先生

本校のある豊岡市には通学可能な大学があまりないため、進学と同時にほとんどの生徒が地元を離れます。人口減少が進む地域において、生徒たちが社会との接点を持ち、故郷を離れる前に地元の魅力を再認識できるような機会を作ることが高校の役割であると感じています。

今回の修学旅行を通して、多くの方々に出会い支援していただきました。地域の環境や文化を守り育てる人、それを魅力と感じを内外へ発信する人、そしてその魅力に共感し関係を築く人。やがて社会の担い手の主役となる生徒たちが、新たな価値を創造するための視点を持ってくれることを期待しています。

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